Domaine Juliette Avril

ドメーヌ・ジュリエット・アヴリル

18世紀にシャトーヌフ・デュ・パープの領主であったアヴリル家を祖先に持ち、長年にわたるブドウ栽培と プロヴァンス地方の伝統が受け継がれるドメーヌ・ジュリエット・アヴリル。祖先のジュール・アヴリルは フレデリック・ミストラル(1830-1914 プロヴァンス生まれの詩人。南仏の文芸復興を目指す団体を結成 し、プロヴァンス語で書かれた作品がノーベル文学賞を受賞している)の活躍から1世紀後、プロヴァンス語 学校"Majoral du Félibrige"の名誉ある賞"Golden Cicada(金の蝉賞)"を受賞しています。
 
受け継がれる伝統と歴史
また、シャトーヌフ・デュ・パープがAOCに認定される以前の1928年頃には、ジュリエット・アヴリルの 父であるジャン・アヴリルが他の著名な生産者達と共にシャトーヌフ・デュ・パープのワイン生産の基礎 を築き、その後のAOC昇格(1936年)へ導いたのです。長き伝統とワイン造りの精神が受け継がれたこの ドメーヌ・ジュリエット・アヴリルの後を継いだのは娘のマリー・ルシル・ブリュン、そして2000年から はマリーの息子ステファン・ブリュンが栽培から醸造、コマーシャル全般に渡りドメーヌの運営を担います。 ワイン造りの楽しさは何?という質問に彼は「栽培・醸造からコマーシャルまで色々な仕事ができる!」、 「畑仕事など自然の中で集中して仕事をこなすのも大好き。毎年同じ条件ではないから、天候やブドウの 出来適応し仕事を進めること、これもワイン造りの楽しさの一つだよ。ワインにはネガティヴな所が一切 ないんだ!」と見事な回答をくれました。
 
環境への最大限の配慮
ドメーヌがシャトーヌフに所有する6つのリュー・ディーは合計22ヘクタール(Les Bourguignons, Les Galimardes, Coteaux de l'Ange, Farguerol, Pied de Baud)。粘土石灰質の土壌を丸い大きな石が覆う北部と、砂質の水はけのよい南部の土壌から構成されています。北部の畑から 比較的骨格のしっかりしたワインが出来上がるのに対し、南部からはより繊細でフルーティーなワインが生まれます。周囲には 草花が咲き乱れ、生態系の調和が保たれたこの場所に平均50年以上の樹齢を誇るグルナッシュ、シラー、サンソー、ムールヴェードル、 ルーサンヌが減農薬農法(Terra Vitis認定)により栽培されています。今シャトーヌフにおいても若い世代がリュット・レゾネや ビオに力を注いでいる中、ステファンは「本当の意味で環境に優しいものは何か」を自らに問いかけています。農薬の使用量という 表面的なものにとどまらず彼が実行するのはCO2の排出量を減らすこと、そして汚水を浄化して処理することなど多岐に及んでいます。 収穫は通常、南部のガリマルド(10ヘクタール)のシラーとグルナッシュから始まります。これらを北部のものとブレンドすること でジュリエット・アヴリルのバランスの良いシャトーヌフが生まれます。彼はこれを「土壌のブレンド、そして品種のブレンド」と 繰り返します。ブドウは手摘みで収穫後、綿密な選別を経て、醸造はステンレスタンクとコンクリートタンクにてゆっくりと進行。 彼らのポリシーは、最大限テロワールの特徴を反映すること。そのため必要以上の樽を使用することを避け、純粋な果実の味わいを 尊重しています。料理のトレンドも世界的にますます洗練されていくなか、主要な輸出先の一つであるアメリカの顧客も ジュリエット・アヴリルの洗練されたスタイルを気に入ってくれているそうです。