シャンパーニュ・トリュドン
フェスティニーはヴァレ・ド・ラ・マルヌ、エペルネの西約20キロ、フラゴ(Flagot)の谷にあります。トリュドンは東西南北すべての方向を向く7.5ヘクタールを所有。15の区画は全てこの村の中にある、粘土石灰質土壌で構成されています。地質的にヴァレ・ド・ラ・マルヌは粘土の割合が多くピノ・ムニエの栽培に適していると言われますが、フェスティニーでは近隣の村よりも白亜質の割合が多いこと、畑の向きや傾斜率などが加わり、フレッシュ感と上品さの際立ったムニエが特徴です。
1973年生まれのジェロームは生物学と生物化学を学び、醸造学を修めたのちメゾン・ロデレールに入社、カリフォルニアのロデレール・エステートでワイン造りに携わり、その後シャンパーニュ・ルイ・ロデレールで10年間、貴重な経験を積みました。
ロデレールを“学校”と表現し多くのことを学んだと言うジェローム。ワイン自体のセレクションの方法、ブレンディングやテイスティングだけでなく、リザーヴワイン用の樽のロット管理や手入れ、樽の入れ替えに至るまで一流の技術の多くを習得。2009年の終わり、両親の引退を機にヴァレ・ド・ラ・マルヌ、フェスティニーへ戻り、メゾンの4代目となったジェローム。
これまでとは規模も知名度も全く異なる場所で妻のエレーヌと再スタートを切り、父が築き上げてきたメゾンのスタイルを尊重しつつ、フェスティニーのピノ・ムニエの個性を最大に発揮できるよう彼が持つノウハウを細部に取り入れながら新しいトリュドンのシャンパーニュを造り、世界的に注目を集めています。
醸造はステンレスタンクだけでなく樽も使用、マロラクティック発酵についてはボトリングするキュヴェに合わせてヴィンテージの個性を尊重しつつ、キュヴェごとに調整。そしてブレンディングの技術によりメゾンの一貫したスタイルを表現します。最低3年間シュール・リーで熟成。どのキュヴェにも感じられるのは口当たりの柔らかさときめ細やかなクリーミーな泡、みずみずしく透明感のある果実味です。