Domaine Gilles Barge

ドメーヌ・ジル・バルジュ

ドメーヌは現在コート・ロティに6ヘクタール、コンドリューに1ヘクタール、サン・ジョセフに1.3ヘクタールの畑を所有しています。バルジュ家では1860年にはワイン造りを始めていましたが、元詰を行うようになったのは1929年、ジュール・バルジュの代になってからのことです。彼の引退後は、息子のピエールが畑の拡大や商品の販路を広げます。ピエールの息子である現当主のジルは農業学校でワイン造りを学び、リヨンのネゴシアンで3年間経験を積んだ後、1979年にこのドメーヌを継承。1994年、後世に残る功績を残したピエールの引退後、すべてのワインがジル・バルジュの名前を冠することとなります。同じくこの年、新たにサン・ジョセフのパーセルを購入、そしてコート・ブリュンそしてコート・ブロンドに所有する区画をそれぞれ別々で瓶詰し、販売を始めました。ジルのもとドメーヌは見事な成長を遂げ、バルジュはこのアぺラシオンを代表する生産者として認識されるようになり、加えて彼はコート・ロティ生産者協会の会長を務めることとなります。
2000年にはコート・ブロンドにある急斜面の区画、”ル・コンバール”を購入、2007年という最高のヴィンテージに初リリースとなりました。同年、カーヴを2倍に拡張し、すべてのタンクを温度管理機能付きの最新設備に切り替えました。熱く、テロワールへの思い入れの深いジルにとって、テロワールと品種がその個性を存分に発揮させることが何よりも重要です。そのため、人工的要素を出来る限り排除、自然な方法で栽培から醸造、瓶詰までの各工程を慎重に進めます。100%手摘みで収穫、新樽を殆ど使用しない伝統的手法でゆっくりと優しく醸造することによって彼の思いの詰まった、心に染みいるようなワインが完成します。

1860年の創業以来、ドメーヌ・ジル・バルジュでは、祖先から大切に引き継がれてきたワイン造りの伝統が今も活かされています。それは栽培から醸造まで全てに及び、第一にはコート・ロティの各テロワールの個性が如実にワインに表現出来るよう、化学肥料や除草剤を使用せず、出来る限りの時間をブドウ畑で過ごし、ブドウの状態を日々確認、問題があればすぐに対処することです。バルジュではアルコール発酵前のコールド・マセラシオンやピジャージュ、ルモンタージュのような手法は使わず、ステンレスタンク内に引っかけた網のような蓋でゆっくりと果帽を液体に沈め色素やタンニンを優しく抽出、天然酵母のみで醸造します。赤ワインの熟成には600リットル入りの樽を使用し、12~24ヶ月間の熟成中に澱引きを3~4回行うのみで、清澄も濾過もなく瓶詰します。