Domaine Belle

ドメーヌ・ベル

ロバート・パーカーお気に入りのドメーヌ
北ローヌで最大の栽培面積を持つクローズ・エルミタージュは隣り合うエルミタージュとは異なり気軽に楽しめるワインが多く生産されており“エルミタージュ”の名前が付くネーム・バリュー、そして北ローヌの良さを手ごろな価格で味わえるというコストパフォーマンスの良さからクローズのワインに人気が集中しています。11の村から成るこのアペラシオンは東西南北に広がり斜面や平地、粘土石灰質や花崗岩質、また小石の転がる土壌など様々なテロワールが存在する興味深い産地です。
ドメーヌ・ベルがあるのは北部ラルナージュの村。起伏が強くカオリン(陶器の原料にもなる)と呼ばれる白い粘土石灰質土壌で有名な場所です。1600年代からすでにラルナージュ城の周りではブドウの栽培が行われておりその土地とブドウは君主の所有でした。1769年、新たに君臨したクロード・フランソワ・ミュールの決定により小さな区画が住民に分け与えられたことがきっかけとなりワインが村の主要な特産物となったのです。ドメーヌ・ベルの歴史は常にクローズ・エルミタージュの歴史と共にありました。基礎を築いたのはフィリップ・ベルの祖父ルイ・ベル。先代から土地を譲り受けたルイはブドウ栽培に力を注ぐ一方、ワイン造りにはあまり興味を示さず1933年にはタン・レルミタージュの協同組合の創設メンバーとして丹精込めて育てたブドウを売り土地を拡大してきました。    
       ビオロジックへの転換        
1990年、醸造学を修めドメーヌに戻ったアルベールの息子フィリップが父とともに新しい設備投資に投資し品質が劇的に向上、クローズ・エルミタージュのテロワールをより表現したいという思いから2014年、ビオロジックへの転換をスタート、それと同時に新樽の使用率も低くしています(2017ヴィンテージからビオロジック認証)ワインは年々洗練味を増し、滑らかな果実感とそれぞれの区画の個性が今まで以上に感じられるようになりました。ラルナージュの白い粘土石灰質のこの土地のミネラル感(=酸)はしっかりと味わいを引き締め、この土壌から生まれるワイン、特にテール・ブランシュ(白)とキュヴェ・ルイ・ベル(赤)にはボリュームがありながらもフレッシュさが生まれ、それは特に暑いヴィンテージで顕著に表れます。そして、クローズ・エルミタージュのワイン栽培地でも一番南にあるポン・ド・リゼールは、ローヌ川からの小石が転がる温かな土壌と表現される通り、レ・ピエレル(赤)には柔らかさが顕著に感じられラルナージュが生み出すワインと大きく個性が異なります。一方、エルミタージュの崇高な美しいミネラル感は圧倒的な存在感を放っています。
白ワインはプレスし澱を沈めた後、樽もしくはタンクで低温(15~16度)で発酵。シュール・リーで熟成し12ヶ月から18ヶ月間熟成させたのちに軽くフィルターにかけ瓶詰め。赤ワインは一部もしくは完全に除梗、低温浸漬を経てピジャージュを行いながら3~5週間醸造。赤ワインは全て樽熟成で12~26ヶ月間熟成、無清澄、ノンフィルターで瓶詰め。醸造から熟成に至るまで徹底した温度管理を行っています。
現在、ドメーヌの25ヘクタールの畑は土壌の異なる5つのコミューン(ラルナージュ、クローズ・エルミタージュ、タン・エルミタージュ、ポン・ド・リゼール、トゥルノン)に広がっています。これらの土壌がマルサンヌ、ルーサンヌ、赤はシラーと組み合わさることで、表現豊かな香りとそれぞれのテロワールの個性を反映したワインになります。ラルナージュはアプリコットの生産でも有名な場所でフィリップの兄のジャン・クロードがブドウ畑とアプリコットの栽培を管理しています。また、フィリップの息子ギヨームがドメーヌに入り4代目となる予定です。