Domaine Regnard

ドメーヌ・ルニャール

コート・ド・ボーヌで一番新しいAOCマランジュは、1988年に3つの村が統合し生まれました。ルニャールのカーヴと住宅があるサンピニー・レ・マランジュの村は3つの中でもっとも小さく静かな村です。丘から見渡すブドウ畑や古い家々はどこか牧歌的な雰囲気を漂わせ、温かみすら感じさせてくれます。3つの村の中央に位置する南向きのレ・マランジュの丘陵は、サントネのプルミエ・クリュから連なる地続きの畑で土壌の性質もほぼ同じくするジュラ紀の石灰質から構成されています。  
かつてネゴシアン達はワインに複雑味と深みを加えるため、マランジュのワインをコート・ド・ボーヌのキュヴェにブレンドしていました。事実、マランジュのワインはスパイスの風味をまとい赤いフルーツに満たされたリッチな酒質を備えています。ときに紫を帯びたダークな色合いで肉付きよく噛みごたえのある黒や赤いフルーツと程よくワインに溶け込んだ滑らかなタンニンが存在します。
マランジュは「黄金の丘」の終焉の地。サントネを超え、この丘は南に向きを変える・・そしてここにマランジュのブドウ畑が広がる。・・しかしながらここはまだブルゴーニュの中心なのだ。コート・シャロネーズの丘は南東向きにまた違った地層が連なる。マランジュで行われている良質なワイン造りから興味深いワインが生まれ、かつそれらは手ごろだ・・・ほぼ赤ワインが占めており、実直で逞しく、                  良い意味で粗野さが感じられ、その真価を確かめる価値が大いにある。ワインは上質な酸を備えており、かつ良く熟成するのだ - Clive Coates (The Wines of Burgundy)  
ドメーヌ・ルニャールの創設は戦後間もなくの1946年。ネゴシアンにワインを売りながら、畑を少しずつ買い足してきました。2013年に買い足した畑を含め現在9.1ヘクタールの畑でブドウを栽培、 クリスチャンの息子となる4代目のフロリアン・ルニャールがドメーヌに戻りドメーヌは大きく路線を変えつつあります。元詰を始めた2010年からルニャールのワインは少しずつ認知され始め、ギドアシェットのCoup de Coeur(衝撃の一本)に2年連続で選出される快挙を遂げています。フロリアンは醸造学校を卒業後、ムルソーのヴァンサン・ジラルダンやリュリーのデュルイユ・ジャンティアル等素晴らしいドメーヌで経験を積み、試行錯誤を繰り返しながらもマランジュのテロワールのポテンシャルを信じ、真摯にワイン造りに向き合っています。
  
                             
ルニャールの畑は、マランジュ・ヴィラージュ、サンピニーの南に広がるオート・コート・ド・ボーヌの数パーセルに加え、2011年より生産を始めたプルミエ・クリュとサントネーの区画、そして2013年に新たに購入したシャサーニュ・モンラッシェの区画からなります。樹齢60年を超えるアリゴテを除き平均樹齢はおよそ30年ほど。フロリアンの代になり、収量制限や除葉、摘心など、より細部までこだわった仕事が見られ、減農薬栽培に取り組んでいます。醸造に関しては、デュルイユ・ジャンティアルの手法を赤ワインの醸造に取り入れ低温マセラシオンに続き、マランジュの比較的強いタンニンを柔らかくし、色素を安定させるため発酵後の高温マセラシオン(30℃)を行うのが特徴。熟成にはアリエまたはヴォージュの樽を使用し12ヶ月間熟成。白ワインは、品種のアロマを最大限引き出すため18-20度で醸造、ヴィンテージにより樽の種類や醸造・熟成期間、バトナージュの回数などを調整します。赤白共に心地よいピュアなフルーツのふくよかな味わいの中に、絶妙なバランスでアッサンブラージュされた樽の風味が程よく溶け込み心地よい味わいです。