Domaine Daniel Crochet

ドメーヌ・ダニエル・クロシェ

ビュエに多いクロシェ・ファミリーの一つ、ドメーヌ・ダニエル・クロシェ。世界的に有名なフランソワ・クロシェはダニエルの父のいとこにあたります。ダニエルはドメーヌを継いだ1996年より畑を拡張し、親類から借りている畑を含め現在ビュエ、サンセール、シャヴィニョルのコミューンに9.75ヘクタールを所有。その内訳は、6.37haがソーヴィニョン・ブラン、3.38haはピノ・ノワール。
土壌は大きく分けてテール・ブランシュと呼ばれるキンメリジャンの粘土石灰質とカイヨットという小石と石灰分の多い土壌から構成されています。一般にテール・ブランシュからは肉付きの良い豊かな骨格を持つワインが出来上がるのに対し、カイヨットの多い土壌からはフルーティーでアロマ豊かなワインが生まれると言われており、彼のワインからは各テロワールの持つストレートな表現が伝わってきます。ドメーヌのフラッグシップは単一畑のプラント・デ・プレ、そしてシェーヌ・マルシャンです。
  
日本人でもびっくりするほどの真面目なダニエル。当初から畑仕事に熱心に取り組み、テロワールをまっすぐに表現した、ピュアな果実感を持つワインを生み出すために取り組んだのが畑仕事に膨大な時間を費やすこと。ダニエルは除草剤を使わず、樹勢を抑える目的で草を生やす草生栽培を行っていますが、土が深い場所では草と根の”競争状態”を作り出しより深くまでブドウの根を張らせるため草を残します。一方、カイヨットなど表土が薄い場所では草を抜き取ってしまいます。防カビ剤なども使わないため、ブドウの房に病気がつかないよう常に風通し良い状態にしておくことも大切です。
白ワインは収穫後すぐに選果台で選別、ゆっくりとプレスしエナメルコーティングされたタンクで3週間から1ヵ月かけて醸造(16-22℃)、ステンレスタンクのみで醸造し、シュール・リーで熟成。ヴィンテージによってはバトナージュを数回行います。
 
ダニエルはフランスの専門誌ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス2014年度版でロワールの表紙を飾ったほか、赤のキュヴェ・プレスティージュ2014は同誌でフランスで最もコストパフォーマンスの高いピノ・ノワールと絶賛されました。また、単一畑のプラント・デ・プレの2015年も同じくルヴュ・ド・ヴァン・ド・フランスで世界トップソーヴィニョン・ブラン30のうちの第5位に選出される快挙を遂げています。世界最優秀ソムリエ、オリヴィエ・プシエは彼のワインを好んで良く飲み、アドバイスをくれることもしばしば、彼のワインに大きな注目を寄せています。