Château Rives-Blanques

シャトー・リヴ・ブランク

 天国のような美しいブドウ畑
オランダ人のヤンとアイルランド人のカリル・パンマンのドメーヌ、シャトー・リヴ・ブランク。彼らがワイン造りを始めてから20年が経とうとしています。アペラシオン・リムーのはずれ、マルペールに隣接するリムーで最も標高の高い350メートルの美しい景観を持つ場所にあります。ドメーヌの名前は、遠く望むピレネーの山の頂の一つに由来しており、冬から早春にかけての美しい光景はまさに天国のようです。彼らがこのドメーヌを買い取った2001年までオーナーを務めていたのはエリック・ヴィアラド。この土地と畑をこよなく愛する彼はここで30以上のヴィンテージを経験、フランスで最も早く減農薬農法を取り入れ、ドメーヌの基礎を築いた重要な人物です。彼の離婚に際し、このドメーヌを売却せねばならないところへヤンとカリルが手を差し伸べたことで、エリックはリヴ・ブランクの大切なチームの一人となりました。
地中海と大西洋二つの気候が交わる地点にあるリヴ・ブランクは、野生の蘭、ワシ、チュウヒ(野禽の一種)、コウモリ、ブナなど独特な動植物相が形成されていることから、EUの“ナチュラ2000”のガイドラインにより保護区域に指定された場所にあります。標高の高さと強く吹き付ける乾燥した風によって、自然とブドウの木々は害虫から守られています。土壌はモレーンと呼ばれる氷河により運搬され岩屑などが堆積した層で、小石がちの粘土質土壌。興味深いのは、シャトーヌフなどにみられるような大きな石が転がり、わずか20mほど下に行くとこの石は見当たらなくなります。約20ヘクタールの畑の内訳は、1970年に植えられた2.7haのシュナン・ブラン、6haのモーザック、数区画に分かれる合計11.4haのシャルドネ、そして2006年に植えた2haのソーヴィニョン・ブランです。ヤンとカリルは2001年以降、多くの投資と様々な取り組みを行ってきました。空気圧搾機や選果台などの最新の機器に加え、焼きや材質などをテストし厳選したフランソワ・フレールやヴィカール社製の上質なバリック300個も購入。そして、エリックによって進められた環境配慮型の栽培をさらに推し進め、化学肥料を使用せず剪定した木くずやブドウの搾りかすからなる有機肥料のみを使用する、ほぼビオロジックに近い減農薬栽培が行われています。また、ブドウ畑の畝の間に小麦やオート麦、野生の花、クローバーを植え、野生のイノシシ、鹿、フクロウ、ワシ、鳥などたくさんの動物が生息する環境を造り出しています。
フランスで唯一、樽での発酵と熟成が義務づけられているアペラシオンのリムー。規定によりブドウの収穫も手摘みで行わなければなりません。その標高の高さから、リヴ・ブランクの収穫は他のワイナリーに比べ3週間ほど後に始まります。ここでは、収穫時に畑とカーヴで2度選別、ブドウのクオリティーを収穫後2時間以内にプレス、バトナージュを行いながらそのキュヴェに合わせた樽を厳選し、約半年間澱とともに熟成させます。
彼らが造り出すバラエティに富んだワインは、ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス、ル・ギドアシェット、ベタンヌ&ドゥソーヴガイドをはじめ、ジャンシス・ロビンソン、オズ・クラーク、ジェブ・ダンナック(ワイン・アドヴォケイト)などの評論家からも毎年多くの賞賛を浴びています。