Château Lamartine

シャトー・ラマルティーヌ

カオールの昔と今
2000年以上もの昔、ローマ人が始めたワイン生産地でヨーロッパでも一番長い歴史を持つ場所の一つ、カオール。戦争、フィロキセラ、1956年の大霜害で長い低迷期を過ごしたものの今新しい風が吹いています。カオールワイン委員会では2007年からマルベックで世界的に認知され成功をおさめたアルゼンチンを参考にして、世界市場にフレンチ・マルベック、カオール・マルベックの名前で品種を前面に押し出した販促活動を行ってきました。それが功を奏し現在ではカオールは南西地方のワインのなかでも大きく輸出を伸ばしているのです。
それと同時に、今次世代を担う若いヴィニュロンたちが新しいカオールの姿を模索し始めています。キーワードは“テロワールの表現”。彼らは先代以上に環境に配慮した栽培と過剰な樽の使用を排除しカオールそれぞれの場所が持つ本来の味わいを表現したいと意欲を燃やしています。
シャトー・ラマルティーヌ
ソトゥラックにあるシャトー・ラマルティーヌはカオールの栽培地域の最も西にあり温暖な気候に恵まれています。より東にある栽培地域よりも3~5℃の気温差があり、収穫も1、2週間早く始まります。花ぶるいや霜、病気に弱いマルベックですが、幸いここは大西洋気候でありながら地中海性気候の影響も受けるため雨が比較的少ないこと、そしてオータンと呼ばれる暑く乾燥した風がブドウを健全な状態に保ってくれます。ロット川の右岸、真南を向くラマルティーヌの37haの畑はソトゥラックでも最良の場所に位置。ドメーヌのあるソトゥラックのロット川付近のテラスからは滑らかさや果実感の豊かなワインが生まれるとされています。   
     
                         
父アランの跡を継ぎ、2013年から妹のリズと一緒にドメーヌを運営するのがバンジャマン・ゲイロー。ボルドーやコート・デュ・ローヌ、オーストラリア、ニュージーランドでも経験を積み視野の広さと豊富な知識を持っています。もともとラマルティーヌでは環境に配慮した栽培を行ってきましたが、今後はビオディナミでの栽培も視野に入れ、亜硫酸の添加量などにも配慮していきたいと語っています。