Domaine Françoise & Denis Clair

ドメーヌ・フランソワーズ・エ・ドニ・クレール

もともとサントネで何世代にも渡りブドウを栽培しネゴシアンに売ることで生計を立ててきたクレール家。1986年にドニ・クレールがドメーヌを創業、低温浸漬による醸造を行った初めてのドメーヌのうちの一つとしても知られ、かつてのような重たいタンニンで粗野な味わいとは一線を画し丸いフルーツ感のある彼のサントネは、辛口で知られるミシェル・ベタンヌにサントネの素晴らしさを初めて認めさせた人物でもあります。 1995年からは妻フランソワーズの側から受け継いだサントーバンの畑から息子のジャン・バティストが白ワイン造りに意欲を燃やしてきました。商売っ気のない地味なドメーヌですが、良いワインを造ることで定評があり15ヘクタールの畑から造られるワインはアペラシオンの特徴を見事に表現したものです。
ジュヴレ・シャンベルタンのクレール家とは親戚関係にあり、サントーバンのドメーヌ・コランをはじめ多くの生産者との情報共有を大切しています。2016年春に急逝した父ドニの後を継ぐジャン・バティストは、サン・ジョセフの名門、ドメーヌ・ゴノンで経験を積み2000年から特に白ワインの品質向上に尽力してきました。「ゴノンでは畑仕事の大切さを学んだ。そして樽の選択や清澄のやり方を改良してクリアな白を造るように努めてきたよ」と遠慮がちに語ります。アルザスとそのクリアな味わいのワインが大好きだという彼、白ワインにはフランソワ・フレールの樽が一番馴染むと言いますが、最終的には3~4の樽業者のブレンドで複雑味を表現します。

赤ワイン - 赤はほとんどがサントネの村で造られ生産量の6割以上が赤。サントーバンよりも土壌に粘土の割合が高くなることから赤ワインに最適の畑が多く存在していますが「サントネの良さはストラクチャーの強さ」とドニが言うように、骨格と複雑味を兼ね備えた見事なワインが造られています。収穫後ブドウは10%を除き除梗。その後低温マセラシオン、コンクリートタンクでの醸造を経て樽熟成。新樽使用率は最大でも20%までにとどめられています。ワインはサントネの特徴を最大限表しており、奥行きとタンニンのきめ、そして低温マセラシオンによる首尾一貫した心地よいバランス感を備えています。                   
白ワイン - 少量のみ造られる赤を除いてほぼ白ワインをサン・トーバンの村から造ります。赤同様、サン・トーバンの白ワインにも豊かなフルーツの心地よい風味があり、期待を裏切ることがありません。白ワインはプレス後そのまま樽に入れアルコール発酵とマロラクティック発酵、熟成を経ます。新樽の使用率はここでも最大で20%ほどで、丸みのある豊かな果実味がありながらも重すぎることがなく、ワインは繊細で実に澄んでいます。

★ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス 1つ星生産者(3つ星評価)                                                                                                                                             ★ベタンヌ&ドゥソーヴ 3つ星生産者(5つ星評価)“団結していてとても心の優しい一家、サントネとサントーバンの最良の畑のブドウからテロワール本来の味わいを持つワインを造り出しており、約20年間にわたり一貫した成功作を提供している。ブルゴーニュで最高のコストパフォーマンスを持つワインのひとつだ”