Domaine de Gour de Chaulé

ドメーヌ・ド・グール・ド・ショレ

女性が守り続けるドメーヌ
ジゴンダスの村の入り口にひっそりと佇むドメーヌ・グール・ド・ショレの現オーナーはステファニー・フモゾ。ここは彼女の曾祖父、ウジェーヌ・ボンフィスが1900年に始めたドメーヌです。ここではかつてブドウとオリーヴの両方が栽培されていましたが、それから数世代にわたってブドウ畑に変えられていきました。1970年、ステファニーの祖母ロランド・ボーメが苦労の末グール・ド・ショレを軌道に乗せ女性ドメーヌとしてその名を知られるようになり、1985年に娘のアリーヌ・ボンフィスがドメーヌのさらなる発展・近代化を果たしました。彼女は1990年ジゴンダスで初めてブドウ畑に草を生やし自然との共生の取り組みを始め、減農薬農法に取り組んだ人物でもあります。                                そして1997年からこのドメーヌを経営するのが、アリーヌの娘のステファニーです。母アリーヌの言葉”グール・ド・ショレの女性栽培家たちにおいては、テロワールの精神とアぺラシオンの特徴を有することが新たな流行に打ち勝つのだ”という言葉通り、テロワールの個性と本来のジゴンダスらしさ、そして徹底した品質を常に追求し続けています。
所有する畑は全体で10ヘクタール、それぞれテロワールや日当たりが異なる区画(ほとんどが粘土砂質の斜面に広がる)が23にもおよびます。これがグール・ド・ショレのワインに、多種の魅惑的なアロマと奥行きをもたらしているのです。平均樹齢は55年で、一番古い区画のものはステファニーの曽祖父ウジェーヌによって植えられた、100年以上の木です。             
  
代々のオーナーにとってグルナッシュという品種はジゴンダスのハートであり魂でした。現在グルナッシュは所有する畑の85%に植えられていますが、いくつかの区画にはシラーやムールヴェードルがあり、サンソーはロゼ用に植えられています。収穫に際しては何度もブドウの成熟度をチェックし、果皮、果梗、そして種がしっかりと熟すのをぎりぎりまで見極め収穫します。
醸造と熟成
ウジェーヌ・ボンフィスが建てた100年前のカーヴで醸造が行われます。手摘みで収穫、選別を厳しく行い除梗はしません。温度管理機能の付いたコンクリートタンクでマセラシオン、アルコール発酵。天然酵母のみを使用し、朝と夜こまめにチェックを繰り返します。発酵は3週間にわたり、ルモンタージュとデレスタージュ(発酵中に液体の部分のみを数時間他のタンクに移し、残った果皮や種がその間空気に触れることにより色素やタンニンがより抽出されるようにする作業)、テイスティングを繰り返します。その後別の樽に移し替え、マロラクティック発酵と澱引きを終え初めてアッサンブラージュされます。熟成はフードルと呼ばれる大樽で12ヶ月間、そしてその後再び12ヶ月間今度はタンクで熟成を経て、瓶詰されます(清澄なし、ノンフィルター)。グール・ド・ショレでは新樽は使用しません。昨今の風潮に触れ、彼女はジゴンダスらしさを表現するためにも強すぎる新樽は必要でないと言い切ります。