Château Champ des Sœurs

シャトー・シャン・デ・スール

ローランとマリー
ラングドックとルシヨンの境に位置するフィトゥーは総面積約2,600ヘクタールのアペラシオンで地中海に面する畑と内陸に30㎞ほど入った山側の畑に二分されます。シャン・デ・スールは地中海に面するフィトゥの村にあり、ローラン・メナディエは17世紀より続く家族経営のドメーヌから独立、オノログの妻マリーとともに貧乏暮しを覚悟でこのドメーヌを始めました。現在所有する13ヘクタールの畑は最初の5年間、協同組合にブドウを売りながら彼らが少しずつ買い足してきたものです。  
地中海に面する美しい畑
2人のドメーヌとしてのファースト・ヴィンテージは1999年、栽培から醸造、販売まで二人三脚ですべてをこなし、その実力からまたたく間に注目を浴びる生産者となりました。重く抽出の強い南仏のワインに慣れていた当時の人々に、繊細なローランのワインは強い印象を与えたのです。フィトゥの村と地中海に突き出た半島のような形のルカトに所有畑する畑は合計13ヘクタール。乾燥しきったむき出しの土壌をガリーグが覆う場所に現れるシャン・デ・スールのブドウ畑は粘土石灰質とシスト土壌、もともと痩せた土地のため自然と収量が落ち、ミネラル分豊かで繊細なワインが生まれます。またこの辺りはフランスの中でも特に乾燥の激しい地域のため、ここではブドウの成長にとって海から吹く冷気と湿り気を持った風が大変重要で、著しい乾燥からブドウを守ってくれます。
 
自然と調和した畑 アロマテラピー効果も
シャン・デ・スールでは、畑の周りの動植物環境全体を視野に入れ、極力自然な状態で保ち、畑には様々な野草や野花が咲き乱れています。グラスに注がれたワインから、ハーブや花々の香りが立ち上り、アロマテラピー効果もあるとローラン。収穫は100%手摘み、畑とカーヴで厳しく選別を行います。彼らは常によりよいワイン造りのための醸造方法を考えていますが、2009年からはワインに空気を触れさせながらルモンタージュを行っています。また、亜硫酸の添加もヴィンテージを追うごとに少なくしようと心がけており以前に増してワインが安定し、香りの高さが顕著に表れています。彼らは白ワインにおいても同様の取り組みを行っており、彼らのワインは滑らかなフルーツの純粋な味わいと繊細さ、そしてフィトゥーに吹く爽やかな海風を連想させるような、フレッシュさが常に備わっています。