Domaine des Clos Maurice

ドメーヌ・デ・クロ・モリス

老舗ドメーヌが造る自然派ワイン
ラテン語のChamp de feu(火の畑)に由来するシャンピニー。ロワール川の川沿いに広がる日当たりの良い高台のブドウ畑は、とりわけ夏の時期に暑く乾燥したミクロクリマで知られ、ソーミュールの街の周辺の9つの村に広がる1,580ヘクタールが赤ワインのみに認められるソーミュール・シャンピニーの畑です。2004年からは持続可能な農業と環境の保護のためアペラシオンが一丸となって取り組んでおり、ビオを実践するドメーヌも多数存在します。
その一つ、Varrains(ヴァラン)にあるクロ・モリスは1783年よりアルドゥーアン家が運営する歴史あるドメーヌ。1997年に父モリスからドメーヌを受け継ぎ現在当主を担うのは6代目のミカエル・アルドゥーアンです。エネルギッシュに改善に取り組んできたミカエルは、見る見るうちにソーミュール・シャンピニーで注目される生産者となりました。シャトーヌフのクロ・デュ・カイユ、そしてサンヴェランでも経験を積んだ幅広い視野の持ち主です。
ミカエルがビオに転換したのは父が農薬の影響を受けてパーキンソン病になったことがきっかでした。ビオロジックに転換して変わったことは何かと尋ねると、「ミネラル感、生き生きとした酸、アロマの豊かさそして純粋な果実の風味が感じられること」との答え。2015年から正式にビオロジックの認証を取得し、亜硫酸の添加量もさらに少なくしています。
Clos Maurice, Clos Poinçon, Clos de Dards, Clos Prieurなどの区画で呼ばれる20ヘクタールの畑は、クロ(石壁)に囲まれており、石が熱を保持し畑を暖める役割を果たしています。そのため全てのワインの名前にクロをつけており、かつて畑で耕作していた愛着のある馬コケットをラベルのモチーフにしています。ソーミュール・シャンピニーは主に粘土石灰質土壌ですが、この石灰はpierre de tuffeと呼ばれるシャンパーニュと同じ白亜の石灰質で調和のとれた骨格、心地よい滑らかな質感をワインに与えます。また、場所により砂質または火打石を含む粘土質も露出しています。ワイン造りに加え精力的に新しいエチケットのデザインにも取り組み、疲れが隠せない様子のミカエルですが、ワインについて語り始めると自分の仕事への誇りと自身のワインを愛してやまない様子がひしひしと伝わってきます。最近のヴィンテージは春の遅霜の被害もあり収穫量が減っていますがワインは凝縮感があり見事な出来栄えです。