Bedouet Vigneron

ブドゥエ・ヴィニュロン

2014年、モンペリエで開催されたミレジム・ビオに初出展したミシェル・ブドゥエ。2013年ヴィンテージからエコセールによるビオ認証を受け初めて出展したドメーヌの3代目を担う人物ですが、茶目っ気たっぷりな話しぶりと一風変わった眼鏡、そして豊かで柔らかな果実味がありながらもミュスカデらしいフレッシュさが光るワインに魅了されました。                                  ナントの南東に広がるミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌの産地のなかでも特に優れたテロワールを持つことから、2011年よりクリュとして認められたGorges、Clisson、そしてLe Pallet。今回ご紹介するブドゥエのミュスカデはセーヴル川の右岸、このル・パレの村から生まれます。パレの村は、比較的温かく早熟な気候に恵まれます。土壌は薄い石がちの土壌で根が深くまで伸びやすく、フルーティーでフローラルなエレガントさが際立つアロマが備わります。  
ブドゥエの歴史は1900年代初め、ミシェルの祖父アンリから始まりました。樽職人である傍らメタイヤージュ(分益小作)でブドウ栽培をスタート、その後を継いだアンリはメタイヤージュをしながら畑を買い足し、ドメーヌ元詰を始めドメーヌを大きく発展させた人物です。現在の畑は15ヘクタール、3代目のミシェルはビオロジックによる栽培を始めたときからパレの協同組合から脱する決意をし、今年2014ヴィンテージから100%ドメーヌ元詰になります。大西洋気候の影響を受け温暖な気候に恵まれるため、比較的ビオを実践しやすい環境にあるものの、日々の畑での観察が欠かせないと話すミシェル。ビオに取り組んでからは特に手作業が増え、今は一人でやっているから大変だけれど、BTS(醸造栽培上級技術資格)を取得した息子が今後彼とともに働く意欲を示していると嬉しそうに話します。  
                                               彼にとって、完成するワインはほぼ畑で造られるもの。土とブドウの木々に手をかけた分だけワインには個性が備わるものだとミシェル。「ミュスカデは特にアロマのフレッシュさが欠かせない品種で、そのアロマが消えてしまったらワインの成長を妨げてしまうんだ。だから収穫後のブドウの酸化には特に注意していて、すぐにプレスをする。そうすることでテロワールの個性とブドウのアロマを上品に表現することができるんだ」                                        空気プレスで非常にゆっくりと時間をかけて得たクリアなジュースは、ステンレスまたは内側をガラスで覆ったタンク内で自然酵母のみを用い自然にスタート。18-20℃で2-3週間醸造、その後シュール・リーで1年以上熟成させます。SO2は熟成期間中と瓶詰め時に少量添加するのみで、ワインは開けたてから柔らかく清楚なアロマの豊かさが顕著に感じられるのです。